高齢者に歯周病以外にも気をつけてほしいこと
こんにちは。院長の森川です。
まだまだ残暑厳しい9月ですが、
夏バテなど大丈夫ですか?
9月20日は「敬老の日」。
長寿をお祝いするとともに、
これからもいきいきと元気に過ごせるよう、
健康について改めて考えてみる良い機会でもあります。
体の他の部分と同じく、お口の環境においても
高齢期はさまざまな変化が生まれやすい時期です。
今回は高齢期のお口の環境について
お話ししていきましょう。
■高齢者に起こりやすいお口のトラブル
多かれ少なかれ、
ほとんどの高齢者はお口の中に
何らかのトラブルを抱えている
と言っても過言ではありません。
歯周病はそれらの中でもよく知られているものですが、
それ以外にも
次のようなトラブルが多くなりますので注意しましょう。
1.「だ液の減少」は
全身への悪影響も!
「噛む力の低下」や
「飲んでいるお薬」の影響などによって
だ液の量が減ると、お口の中の細菌が増えてしまいます。
細菌の増加は、
むし歯や歯周病のリスクが高まるだけでなく、
「誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)」の危険性
も高まります。
高齢者の肺炎は命の危険に関わるので、
十分な注意が必要です。
<予防策>
意識してこまめに水分をとり、
よく噛んで食べることで、
だ液の分泌を促しましょう。
また、だ液腺のマッサージも効果的です。
詳しくは下記イラストをご覧ください。
2.「歯肉の退縮」で
むし歯になりやすくなります!
加齢・歯周病の進行・間違った歯みがきなどにより
歯肉が退縮(歯ぐきがやせる・下がること)すると、
歯の根っこ(根面)が表に出てきてしまいます。
実は、根面はとてもデリケートで弱いため、
「知覚過敏」や「むし歯」のリスクが
一気に高まります。
歯ぐきが下がったかな…
と感じたら十分な注意が必要です。
<予防策>
丁寧な歯みがきで
歯周病を悪化させないことが重要!
しかし、力の入れ過ぎは、かえって歯ぐきがやせる原因に!
正しいブラッシング圧などは、
歯科で指導を受けていただくと安心です。
また、歯の根っこにできるむし歯(根面むし歯)は
とても進行が早いので注意が必要です。
早期発見できれば、
それだけ少ない治療で済みますので、
ご自身では「何も問題ないな」と思っていても、
日ごろから定期検診を欠かさないようにしてくださいね!
3.「歯のすり減り」が
歯の破折や知覚過敏を引き起こす!?
習慣化してしまった食いしばりや歯ぎしり、
間違ったブラッシングなどで、
歯のすり減りが起こります。
歯のすり減りがエナメル質から象牙質にまで達すると、
神経に痛みや温度が伝わりやすくなり、
知覚過敏を引き起こす原因に。
しかも、ひどくなると、
歯そのものが折れてしまうこともあります。
<予防策>
歯ぎしりなどのくせがある方は、
普段から意識してなるべくやらない、
専用のマウスピースなどを使用して、
噛みしめの回数を減らす、
といったことを実践していきましょう。
■高齢者が目指すべき歯の本数
高齢者が歯を残すための取り組みに
「8020運動」があります。
8020運動とは、
「80歳になっても自分の歯を20本以上保とう」という運動です。
この20本というのは
「自分の歯で食べられる」ために必要な歯の数を指しており、
だいたい20本以上の歯が残っていれば、
硬さのある食べ物でもほぼ満足に噛めると言われています。
普段からのケアで1本でも多く自分の歯を残し、
もし歯が減ってしまった場合にも
入れ歯やブリッジなどでしっかりカバーしましょう!
当院では、
高齢の方ならではのお口の悩みもサポートいたしますので、
気になることがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。
正栄デンタルクリニック
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2021年9月13日 (月)
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